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当院に関係する症状や治療方法について解説しています。


変形性膝関節症とは

年をとると体の色々な組織に老化現象がみられますが、関節はもちろんその例外ではありません。変形性関節症は関節の老化に伴う変性変化を基盤として起こる代表的な疾患です。

正常な膝関節イメージ

図1
正常な膝関節 正面
図2
正常な膝関節 側面
正常な膝関節 (図1正面  図2側面)

関節は骨と、その表面を覆う関節軟骨および滑膜や関節包などの周辺組織からなります。関節軟骨は骨と骨との摩擦を少なくし、滑りを良くするのが働きです。しかし、老化やその他の原因により変形性膝関節症となった膝関節では、半月板が擦り減り損傷したり、関節軟骨が擦り減って骨と骨が直接ぶつかるようになります。そうなると関節が用をなさなくなるばかりか、骨や周辺組織にまで変化が及んでしまいます。

図3
変形性膝関節症 正面
図4
変形性膝関節症 側面
変形性膝関節症 (図3正面 図4側面)

変形性膝関節症の発症は単一の原因ではなく、加齢、荷重などの機械的要因、全身的遺伝的要因、関節局所の要因などが関与するといわれ原因によって一次性と二次性に分けられます。

一次性は原因が明らかでないもので、二次性は外傷、炎症性疾患、代謝性疾患、内分泌疾患、先天性または骨系統疾患、腫瘍などに続発するものであります。軟骨では、20歳代を過ぎるとすでに変性が始まり、60歳を越すと膝、肘、股関節は80%以上の高頻度で何らかの変化をきたします。しかし、みな変形性関節症の強い症状をあらわすわけではありません。老化現象は環境や遺伝などにより大きな個人差があり、またそれは体内の組織や臓器によっても違います。若い頃から関節に過度な負担が加わり、絶えず外傷にさらされていると、年齢とはかかわりなく、すでに20代でも変形性関節症が起こります。また、手足を酷使する職業や肥満、更年期後のホルモンの変動、体質なども誘因として考えられます。治療は保存療法か手術療法に分けられます。保存療法としては、筋力強化訓練、可動域訓練、歩行訓練、物理療法などの理学療法があり、外用薬、内服薬、坐薬、関節内注射などの薬物療法、サポーター、足底板、ひざ装具、杖などの装具療法があります。手術療法として関節鏡視下手術、高位脛骨骨切術、人工関節置換術などがあります。

図5
人工関節置換術後 図5
図6
人工関節置換術後図6
人工関節置換術後 (図5 図6)

Q&A

1.ヒアルロン酸の関節内注射は?

 ヒアルロン酸は関節内で骨の動きを滑らかにしたり、クッションのように衝撃を緩和させる働きをする関節液の主成分です。その関節内注射で、炎症をやわらげることで、膝の痛みを軽減します。

2.膝の水は抜いたほうがいいの?

 水がたまると、膝が腫れて曲げのばしがつらくなり、炎症も治りにくくなるので、貯まっている水の量が多い場合には抜く必要があります。

3.水を抜くと癖になるのでは?

 水を抜くから貯まるのではなく、炎症があるからたまるのです。
治療をして炎症が治まれば水も貯まらなくなります。

*膝関節痛でお悩みの方は気軽に整形外科を受診してください。

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